#陸上職

INTERVIEW04.

船舶の保全と
安全な運航のために
技術面を一手に担う

K.M

2023年入社 海洋学部 卒

新卒で入った造船会社では、新造船の工程管理に携わる。そこで培った技術やノウハウを生かし、船舶を管理する側でキャリアアップしたいと考え、転職を決意。多くの原油船やLPG船を自社管理し、若いうちから責任感のある仕事を任せてもらえるENEOSオーシャンに入社。

SECTION.01

私が所属する工務部では、原油船やLPG船などの船舶が環境規制を守って安全運航できるように、技術的なサポートを行う役割を担っています。ENEOSオーシャンが保有する63隻のうち、自社で管理する15隻を担当するのが工務グループ、残りの48隻は外部の管理会社に委託しており、それを取りまとめるのが管理グループです。私は工務グループの一員として、先輩とともに4隻を担当しています。
具体的な業務は、船に搭載されている機器のメンテナンスや法定検査の手配のほか、整備計画の策定、機器類の運用基準書の改訂作業、旗国証書などの管理と多岐にわたります。デスクワークにとどまらず、日本国内の製油所(港)へ訪船することもたびたび。例えば、担当船の機器に問題が生じた場合、船内で解決できなければ、工務部からメーカー技師を手配。入港時、私たち工務部の立ち会いのもと、修理や部品交換を行います。無事に機器が正常に戻ればひと安心。トラブルを未然に防ぐことがなによりも大事です。
※船舶の国籍(船籍)を示すもの。

SECTION.02

前職では新造船の建造に携わっていたので、船舶の外殻構造に関する知識はあるものの、エンジンなど機器についての知識はなく、ゼロからのスタートでした。そんな私にとって、部内の先輩や上司は頼もしい味方。かつて機関士として乗船していた方もいれば、造船所に勤務していたエンジニアの方もいて、船のスペシャリストが大勢います。気軽に聞ける環境である上、不具合の原因究明なども、さまざまな視点からアドバイスをいただけるので、大きな学びになっています。
また、私のいる本社からアクセス便利な場所に根岸港や川崎港があるので、スケジュールが許す限り、訪船回数を増やし、現場で実物を見るようにしています。船員の方と直接話すことで、いっそう理解が進みます。今後の目標は、船舶の大規模修理を行う入渠にゅうきょ工事において、工務監督として立ち会い、現場を包括的にコントロールできるようになること。そのために知識と経験を積み上げていく毎日です。

SCHEDULE

SCHEDULE

スケジュール
  • 9:30~11:00

    担当船の
    不具合報告対応

    24時間運航する船舶は、いつどんな不具合が発生するか分からない。夜間や休日でも対応する必要がある。

  • 11:00~11:45

    各機器メーカーとの
    ミーティング

    トラブルが発生した時は、各機器メーカーとの連携が重要なので、日頃からコミュニケーションをとっておく。

  • 12:45~15:00

    担当船の不具合対応、
    メーカー手配

    メーカー技師に現場に来てもらうために、船側とメーカー側の間に入って、状況説明や日程調整を行う。

  • 17:30〜18:00

    入渠にゅうきょ工事準備、
    機器の
    修理状況など整理

    定期的に行われる入渠にゅうきょ工事では船舶全体の修理や改装を行うため、費用もかかる。入念な準備が必要。

QUESTION AND ANSWER

  • 入社前後のギャップは?

    意外に出張が多いことに驚きました。担当船が寄港する日本国内の製油所(港)に出向くため、1カ月の約1/3は出張しています。知識や技術だけでなく、体力も必要な職業だと感じました(笑)。

  • ワークライフ
    バランスは?

    在宅勤務やフレックス制など福利厚生が充実しており、有給休暇も取りやすいです。船の動静にもよりますが、自分の業務計画を事前に立てておけば、オンとオフの切り替えがしやすい環境です。

  • オフの過ごし方は?

    会社の先輩や同期の仲間とバイクでツーリングしたり、旅行したり。最近では長野や箱根に出かけました。勤務地が横浜なので、大学時代の友達と横浜駅周辺で食事に行くことも多いですね。

RELATIONSHIP

RELATIONSHIP

テキスト

船舶の安全と環境規制を守り、安定的な運航を実現するために、本船だけでなく、さまざまな立場の人と連携します。船級協会もその一つ。これは、船舶の船体や機関などについて、その構造や状態が良好であることを公式に証明する機関のこと。船級協会による検査を受けて認証を得ると、船舶が安全に航行できることの証明になります。

MESSAGE

大学時代に航海工学科を専攻していた私は、これまで学んできたことを生かせるような仕事に就きたいと考え、就職活動を展開。しかし、視野を広げてみると、まだまだ自分の知らない世界があることが分かりました。固定観念にとらわれていたことに気づくとともに、もっと情報収集をして、余裕をもって行動したほうがよかったのではないかと思い知らされました。
就職活動は、人生の岐路とも言うべき重要な出来事です。私のように固定観念に縛られず、視野を広く持って就職活動を乗り切ってください。一人で悩まずに、家族や友人、大学の先輩など、立場や視点の異なる人たちに相談するのも手だと思います。私はちょっと遠回りしましたが、いまやりがいを感じられる仕事に就くことができました。日本の物流業界の中でも社会的使命の大きい、エネルギーの海上輸送に携われることに責任と誇りを感じています。