#海上職

INTERVIEW08.

目下の目標は
三等機関士として
一人前になること

Y.F

2022年入社 海事科学部 卒

物理に興味があり、工学系の大学を志す。入学した海事科学部では船舶工学を学び、船舶実習を経験。トータルで1年間乗船したことで、船が職場という世界に魅力を感じ、ENEOSオーシャンに入社。同期の中では女性機関士は一人だが、船員の中には女性の先輩がいるため心強いと話す。

SECTION.01

私が在籍した大学の海事科学部には、船員になるために必要な技術を修得する船舶実習がありました。面白そうだと思い履修して乗船してみたところ、すごく楽しくて! 広大な海をフィールドに働くなんてカッコいい! 新しい世界が目の前に広がるのを感じ、機関士という職業を考えるようになりました。
さまざまな海運会社がある中でENEOSオーシャンを志望した理由は二つ。一つは、原油やLPガスなどの危険物を海上輸送するという専門性の高さです。
荷役時のオペレーションやリスクマネジメントはここでしか学べないスキルでしょう。もう一つは、外航船と内航船、どちらにも乗船できるという点です。外航船の場合、中東と日本を往復するため乗船期間が長く、外国人船員も一緒に乗りますが、内航船では日本人のみ。コミュニケーションがとりやすいものの、主要航路は日本国内に限定されます。どちらの船にも興味を持っていた私にとって、両方経験できることは大きな魅力でした。

SECTION.02

そもそも機関士とは、船舶の機関部でエンジンなど各種機器の管理を行い、安全運航をサポートする技術者のこと。現在、私は三等機関士として、油清浄機や空気圧縮機、造水機などを担当しています。これらの機器が正常に運転しているか、日々の点検はもちろんのこと、定期的に機器類をすべてバラして整備します。図面だけでは分からなかった構造もバラしてみることで把握できるのが面白いところ。一見、単純な動きの機械も、内部ではいくつもの細かい部品が複雑に組み合わさって、一つの動きとして出力していることに驚かされます。
バラした部品を一つひとつ丁寧にチェックし、再び組み立てるのですが、無事に作動した時はうれしいですね。特に、不具合を解決した時は、機関士としての存在意義を感じます。とはいえ、自分一人では対応できない場合もあるので、先輩や一等機関士、機関長に相談することもたびたび。
まずは担当機器の整備作業に早く慣れ、三等機関士として一人前になる。それが私の目下の目標です。

SCHEDULE

SCHEDULE

スケジュール
  • 8:00~8:30

    ミーティング

    機関士全員が集まり、その日の作業について情報共有。分からないことがあれば、終了後に個別に上長に質問。

  • 11:30~12:10

    NOONの計測

    担当機器に表示される温度や圧力などの数値を毎日正午に確認し、機器の状態をログブックに記入。

  • 15:30~17:00

    M0チェック

    夜間に機関室を無人運転にする前に、機関室内の機器の温度や圧力をチェックリストに沿って確認・記録。 ※「M0(エムゼロ)」とは、「Machinery space zero people」の略。監視装置や警報システムを作業させることで、夜間は機関室を無人化すること。

  • 21:00~23:30

    自由時間

    船内にはマンガやDVDを揃えた娯楽室があるので利用したり、自室で好きな音楽を聴いたりしてリラックス。

FREE TIME

休憩や自由時間の
過ごし方は?

前回の航海で一緒になった機関長から唐辛子の栽培セットが入ったカプセルトイをもらい、航海中の自由時間に水やりをしていたら、ちゃんと芽が出て、すくすく成長! 次回はサボテンを育ててみようと思っています。

ESSENTIAL ITEMS

航海に欠かせない!
「必須アイテム」

お気に入りの抱き枕やぬいぐるみを持って行きます。船内はほとんど揺れませんが、一日の大半は機関室にこもって、神経を使う整備作業が続くので、ふわふわしたものがあると心が癒やされ、安心して眠れるのです。

QUESTION AND ANSWER

  • 長期休暇は何してる?

    学生時代の友達を誘って旅行や温泉に出かけます。この前は北海道に行き、函館から登別を回りました。おいしいものを食べて、女子トーク全開で大満足! 次はどこへ行こうか、計画中です。

  • 船員生活は
    どんな感じ?

    一緒に乗船する方々とは寝食を共にするので自然と仲が深まります。フィリピン人の方が話す英語にも次第に慣れて理解できるように、私自身も英語力を高めようとアプリで勉強を始めました。

  • 会社の魅力は?

    ENEOSグループ内の資源を運ぶ海運会社として、タンカーやLPG船に特化した技術や知識を追求できる点です。航海だけでなく、荷役にも関わるだけに、スペシャリストを目指すことができます。

RELATIONSHIP

RELATIONSHIP

テキスト

私たち船員はいつも同じメンバーで航海するわけではありません。そのため、上長によって考え方や作業方法が異なる場合もあります。戸惑うこともありますが、どれが正しいのかを問題にするのではなく、いろんな意見を幅広く聞いて、その中で「いま最適な方法はどれか」を自分で判断できるようになりたいと思っています。

MESSAGE

船員の仕事はなかなかイメージしづらいだけに、海運業界や海運会社についてなるべく多くの情報を収集することが大切だと思います。
入社する前は、男性中心の職場ゆえ少なからず不安がありました。実際、同期5名の中で女性は私一人です。けれど、1年間の研修期間を一緒に過ごすうちに、悩みや失敗談を打ち明け、笑い合える存在になりました。先輩や上司は仕事をする上で尊敬でき、目標となる存在です。
航海中は、船員一人ひとりにトイレとシャワーが完備された個室が用意されているので、プライバシーが尊重され、数ヵ月に及ぶ乗船期間も快適に過ごせています。海上職の中には、女性の先輩もいるので、気になることがあれば話を聞いてもらうこともあります。
いまは機関士として技術の向上を目指し、仕事に邁進していますが、将来的には結婚や出産といったライフイベントも経験したいと思っています。先輩の中には結婚しても船員を続けている方がいるので、ぜひ参考にしたいです。