ENEOSグループが輸入する原油や液化石油ガス(LPG)を、原油船やLPG船によって海上輸送を行うのが海上職です。安全で効率の良い輸送をモットーに、中東で原油を積み、日本各地のENEOSターミナルに届けます。液化石油ガスにおいては、中東のほか、北米やアジア諸国などへも運航。日本国内だけでなく、世界の海を巡る仕事です。
日本人船員が乗るのは原油船とLPG船です。
注目すべきは、海外に向けて航海する外航船と国内輸送に従事する内航船の両方に乗れること。
これは海運業界の中ではめずらしく、ENEOSオーシャンならではの特徴といえます。
また、日本人配乗船が15隻もあり、乗船機会が多いことも魅力の一つです。
[ 9隻 ]
中東と日本を結ぶ海上の道「オイルロード」が主要航路の原油船。片道約12,000kmを約45日間かけて往復します。1隻あたり日本人船員は3~4名。
[ 3隻 ]
鹿児島県にあるENEOS喜入基地を拠点に、主に太平洋側を航海する原油船。国内のENEOS製油所に二次輸送します。1隻あたり日本人船員は18名。
[ 3隻 ]
主に北米と日本間を往復し、液化石油ガスを輸送するLPG船。近年は、北米とアジア諸国間などの三国間輸送※1にも従事。1隻あたり日本人船員は2~4名。
※1日本を経由せず、海外2カ国以上の間で展開する輸送のこと。
産油国や産ガス国までの航路が長い上、荷役にも1週間程度かかることから、乗船期間は約6ヵ月間で、その後3ヵ月間の休暇があります。
主要航路が日本国内の内航船の場合、外航船に比べて乗船期間は短くなります。約4ヵ月間乗船すると、その後2ヵ月間が休暇になります。
航海中、船舶は24時間航行しているため、航海士は甲板部員とともに三交代制で見張りや操船などの当直業務に当たります。機関士においては機関の自動化が進んだため、夜間の作業はありませんが、17時以降に機関に異常が発生した際は、M0※2警報(エムゼロアラーム)が作動するようになっています。
※2「Machinery space zero people」の略。監視装置や警報システムを作業させることで、夜間は機関室を無人化すること。
パー・ゼロ ワッチ
[ 当直者:三等航海士 ]
一般的な生活リズムの中で航海士のノウハウを学べるように、新米の航海士が担当。
ゼロ・ヨン ワッチ
[ 当直者:二等航海士 ]
気持ちが緩んでしまう深夜での当直となるため、ある程度の経験を積んだ航海士が担当。
ヨン・パー ワッチ
[ 当直者:一等航海士 ]
日の出や日没の時間帯は他船や障害物が見えにくいため、ベテランの航海士が担当。
運航中の船には通常、船長のもと一等航海士(チーフオフィサー)、二等航海士(セカンドオフィサー)、三等航海士(サードオフィサー)の3名の航海士が乗船し、甲板部員を指揮しながら、航海計画に基づいて航海や荷役に関する業務を担います。具体的には、航海計器や舵といった機器の動作状況はもちろん、気象や潮流の変化にも注意。他船との衝突や座礁などを避け、安全で効率的な航海に努めます。また、原油船の場合は本船装備のポンプを使うため、航海士が中心となって原油の積み降ろしを行います。
操船
見張り
航海計画の作成
航海計器の保守・点検
出入港時の係留作業
救命設備の整備
荷物の積み降ろし
運航中の船には通常、機関長のもと一等機関士(ファーストエンジニア)、二等機関士(セカンドエンジニア)、三等機関士(サードエンジニア)の3名の機関士が乗船し、機関部員を指揮しながら、主機関(メインエンジン)や発電機、ボイラー、各種機器の管理を行います。具体的には、定期的に機関室を見回り、機械の数値や音に異常がないことを確認。また、各種機器の保守整備作業を定期的に行います。万一、トラブルが発生した場合には、適切な応急処置を取るとともに、その原因も調査し再発防止に努めます。
各種機器の点検
各種機器の整備
機関室の見回り
異常時の応急処置
運航中の船には通常、甲板長をリーダーに甲板手、甲板員が乗船。航海士の指揮のもとに、見張りや舵取り、荷物の積み降ろしのほか、船体の保守整備作業などの仕事を行います。
見張り
舵取り
荷物の積み降ろし
船体の保守整備作業
出入港時の係留作業
運航中の船には通常、操機長をリーダーに操機手、操機員が乗船。機関士の指揮のもとに、機関の運転や機器類の点検・整備、修理などの仕事を行います。
機関の運転
機器類の点検・整備
機器類の修理
運航中の船には通常、乗組員に食事を提供する司厨部員が乗船。調理のほか、船内の公共区画の清掃といった衛生業務も担当します。外航船の司厨部員はフィリピン人ですが、内航船は日本人で、その多くは客船勤務やホテル勤務経験者です。
食事の用意
衛生業務